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家庭教師で本当に成績は上がる?息子の成績推移を大公開

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「家庭教師って、本当に効果があるの?」
「高いお金を払う価値があるのかしら…」

お子さんの成績を心配する保護者の皆さんなら、一度はそんな風に考えたことがあるのではないでしょうか。

こんにちは、田中美咲と申します。
元中学校の数学教師で、現在は教育コンサルタントとして、多くのご家庭の相談に乗っています。
そして何より、高校2年生の息子と中学1年生の娘を持つ、皆さんと同じ一人の母親です。

実は何を隠そう、うちの息子も中学時代、数学で盛大につまずきました。
悩んだ末に家庭教師をお願いしたのですが、正直に告白すると、最初の先生選びで失敗してしまったんです。

この記事では、そんな私のリアルな体験談…特に、息子の成績が実際にどう変わっていったのかを、包み隠さずお話ししたいと思います。
元教師としての知識だけでなく、一人の母として「本当に知りたいこと」を詰め込みました。
この記事が、あなたの不安を少しでも軽くするお手伝いができれば、これほど嬉しいことはありません。

家庭教師をつけたきっかけと当初の悩み

中学時代の息子の学力状況

今でこそ高校生になった息子ですが、中学2年生の頃は本当に大変でした。
特に数学が苦手で、定期テストでは平均点を大きく下回るのが当たり前。
答案用紙は空欄だらけで、たまに何か書いてあっても、自信のなさそうな弱々しい文字…。
「どうして、こんな簡単な問題が分からないんだ!」と、元数学教師としてのプライドもあって、つい厳しく問い詰めてしまうこともありました。

学校の授業だけでは限界を感じた瞬間

もちろん、学校の先生は一生懸命やってくださっていました。
でも、集団授業の中では、一人ひとりの「分からない」にじっくり付き合う時間はありません。
息子も、周りの目が気になって「分かりません」と手を挙げる勇気が出なかったようです。

だんだん授業についていけなくなり、家では宿題にも手をつけず、親子喧嘩が増えるばかり。
このままでは、数学が嫌いになるどころか、勉強そのものへの自信を失ってしまう…。
そう感じた時、「これはもう、家庭の外のプロに頼るしかない」と覚悟を決めました。

最初の家庭教師選びでの失敗体験

意を決して家庭教師を探し始めたものの、ここからがまた試行錯誤の始まりでした。
今思えば、本当に浅はかだったなと反省しています。

「学歴=指導力」ではなかった話

最初に頼んだのは、誰もが知る有名大学に通う、とても優秀な学生さんでした。
「こんなに頭のいい先生なら、きっと分かりやすく教えてくれるはず!」
そんな風に、学歴という分かりやすい物差しだけで、安易に決めてしまったんです。

でも、現実は違いました。
先生は頭が良すぎるあまり、息子が「なぜ、そこでつまずくのか」を理解できなかったのです。
「こんなの常識でしょ?」という雰囲気が、息子をさらに萎縮させてしまいました。

子どもとの相性がいかに大事か痛感

結局、その先生とは3ヶ月でお別れすることに。
息子はすっかり自信をなくし、「もう家庭教師は嫌だ」とまで言うようになってしまいました。

この失敗で、私は身をもって痛感しました。
家庭教師選びで最も大切なのは、学歴や経歴ではなく、子どもとの「相性」なのだと。
子どもの気持ちに寄り添い、安心して「分からない」と言える関係を築けるかどうか。
それが、すべての土台になるんです。

成績は本当に上がったのか?息子のビフォーアフター

最初の失敗を経て、私たちは二人三脚で次の先生を探しました。
今度は「息子の性格に合うか」という一点に絞って。
そして出会ったのが、地元の国立大学に通う、お兄さんのような雰囲気の先生でした。

家庭教師を変えてからの具体的な成績推移

新しい先生は、まず息子の話をじっくり聞いてくれました。
勉強の話だけでなく、部活や好きなゲームの話も。
息子が心を開くのに、そう時間はかかりませんでした。

先生との二人三脚が始まってからの、息子の成績の推移は以下の通りです。

時期数学の点数英語の点数先生との関わり
指導開始前38点55点最初の先生と合わず交代
3ヶ月後52点58点基礎の復習と学習習慣の定着
半年後75点65点応用問題にも挑戦開始
1年後82点78点安定して高得点をキープ

数学:30点台から50点台へ

新しい先生は、いきなり難しい問題を解かせることはしませんでした。
「どこから分からなくなった?」と一緒に小学校の範囲までさかのぼり、一つひとつ穴を埋めてくれたんです。
焦らず、息子のペースに合わせてくれたおかげで、3ヶ月後のテストでは、ついに平均点を超える52点を取ることができました。
答案を嬉しそうに見せてくれた息子の顔は、今でも忘れられません。

英語:伸び悩んだ時期と乗り越えたきっかけ

一方で、英語は少し時間がかかりました。
単語を覚えるのが苦手で、一時期は点数が横ばいに。
そんな時、先生が提案してくれたのが「好きな洋楽の歌詞を訳してみる」という方法でした。
これが息子にハマり、楽しみながら単語や文法に触れるうちに、自然と苦手意識が薄れていったのです。

成績以外で現れた“変化”

正直なところ、点数が上がったこと以上に嬉しい変化がたくさんありました。

勉強への姿勢・自信のつき方

一番の変化は、勉強に対する姿勢です。
以前は「どうせやっても無駄」と諦めていた息子が、自分から机に向かうようになりました。
「分かった!」という小さな成功体験を重ねることで、少しずつ自信を取り戻していったのです。
これは、テストの点数という数字には表れない、何より大きな財産だと思います。

家庭内での会話の変化

あれだけギスギスしていた親子関係も、すっかり穏やかになりました。
私が「勉強しなさい!」とガミガミ言わなくても、息子が自分で計画を立てて進めるようになったからです。
「今日の先生との授業、面白かったよ」なんて、勉強の話を笑顔でしてくれるようになった時は、本当に嬉しかったですね。

成績が上がる家庭教師の特徴とは?

息子の経験を通して、そして多くのご家庭を見てきて、成績が上がる家庭教師には共通点があると感じています。

「相性の良さ」がもたらす最大の効果

繰り返しになりますが、何よりも「相性」が一番です。
子どもが心を開き、信頼できる相手でなければ、どんなに優れた指導テクニックも意味がありません。
相性の良い先生は、子どものやる気を引き出すプロです。
「この先生をガッカリさせたくない」「先生に褒めてもらいたい」という気持ちが、何よりの原動力になります。

教え方の上手さより“寄り添い力”

もちろん、指導力も大切です。
でも、それ以上に重要なのが、子どもの気持ちに「寄り添う力」だと私は思います。
なぜなら、子どもがつまずく原因は、学力だけの問題ではないことが多いからです。

「どうせ僕なんて…」という自己肯定感の低さ。
「間違えたら恥ずかしい」というプライド。
「何のために勉強するの?」という疑問。

こうした心の壁を丁寧に解きほぐしてくれる先生こそ、本物のプロフェッショナルです。

うちの子に合っていた指導スタイル

息子にとって、今の先生が最高だった理由は、まさにその「寄り添い力」にありました。

  • 話を聞いてくれる先生
    指導の前に、必ず「学校どうだった?」と雑談から入ってくれる。このワンクッションが、息子の心をほぐしてくれました。
  • 失敗しても責めない環境
    問題を間違えても、決して「なんでできないんだ」とは言いません。「お、いい間違いだね!どこで勘違いしたか一緒に探そう」と、失敗を学びのチャンスに変えてくれました。

成績を上げるために親ができること

家庭教師の先生にお願いしたからといって、親が何もしなくていいわけではありません。
むしろ、ここからの親の関わり方が、効果を最大化するカギになります。

「ただ任せっきり」では効果半減

「高いお金を払っているんだから、全部お任せします」
このスタンスは、残念ながらうまくいかないことが多いです。
家庭教師はあくまで、お子さんの学習をサポートするパートナー。
家庭という土台がしっかりしていてこそ、先生の力も最大限に発揮されるのです。

先生との連携・フィードバックの大切さ

私は、指導が終わった後の5分間、必ず先生と話す時間をもらうようにしていました。
「今日の息子の様子はどうでしたか?」
「家ではどんなことに気をつければいいですか?」
この短い情報交換が、本当に重要なんです。
先生から見た子どもの様子と、親から見た子どもの様子をすり合わせることで、より効果的なサポートができるようになります。

保護者ができるサポートとは?

難しいことをする必要はありません。
ほんの少しの工夫で、子どものやる気は大きく変わります。

  1. 環境を整える
    指導中はテレビを消し、兄弟にも静かにしてもらうなど、勉強に集中できる環境を作りましょう。
  2. 先生との報告を共有する
    「今日、先生が褒めてたよ。〇〇ができるようになったって!」と、ポジティブなフィードバックを伝えてあげましょう。
  3. 結果だけでなく過程を褒める
    テストの点数だけでなく、「毎日コツコツ頑張ってるね」「宿題、自分からやって偉いね」と、日々の努力を認めてあげることが大切です。

成績向上までの時間とリアルな期待値

家庭教師を始めると、つい「次のテストで!」と期待してしまいがちですが、少しだけ長い目で見てあげてください。

即効性より「3ヶ月〜半年」の中期的視点で

魔法のように、1ヶ月で成績が急上昇することは稀です。
まずは失われた自信を取り戻し、正しい学習習慣を身につけることから始まります。
うちの息子も、目に見えて成果が出始めたのは3ヶ月を過ぎた頃でした。

焦らない、比べない。
これが本当に大切です。
お子さんにはお子さんのペースがあります。
他の子と比べるのではなく、「前のテストより5点上がったね!」と、過去の本人と比べて成長を喜んであげてください。

うちの子はこうして伸びていった

息子の場合は、まさに三歩進んで二歩下がる、の繰り返しでした。
点数が上がったかと思えば、次のテストではまた下がってしまったり。
そのたびに親子で一喜一憂しましたが、先生が「大丈夫。長い目で見れば、確実に力はついてますよ」と励ましてくれたおかげで、乗り越えることができました。

焦らない・比べない姿勢が鍵

保護者の焦りは、必ず子どもに伝わります。
「信じて見守る」という姿勢が、子どもにとって何よりの安心材料になるのです。

家庭教師を検討している保護者の方へ

ここまで私の体験談をお話ししてきましたが、一番伝えたいのは「正解は一つじゃない」ということです。

成績だけじゃない“得られるもの”もある

家庭教師の価値は、成績アップだけではありません。
信頼できる年上の大人との出会いは、子どもの視野を広げ、将来を考えるきっかけにもなります。
息子にとって、今の先生は勉強を教えてくれる先生であると同時に、何でも相談できる「人生の先輩」のような存在です。
これは、お金には代えがたい貴重な経験だと感じています。

「失敗」から学んだ家庭教師選びのポイント

私の失敗談から、皆さんにぜひお伝えしたいポイントをまとめます。

  • 学歴だけで判断しない
  • 体験授業は必ず受ける
  • 子ども自身の「この先生がいい」という直感を信じる
  • 親も先生と話しやすいかを確認する

自信を持って言える:正解は一つじゃない

うちの息子には大学生の先生が合っていましたが、ベテランのプロ家庭教師が合う子もいれば、オンラインの先生が合う子もいます。
大切なのは、あなたのお子さんにとっての「正解」を見つけることです。

まとめ

最後に、この記事の要点を振り返ります。

  • 家庭教師は、子どもとの相性が合えば成績アップに大きな効果が期待できる。
  • 学歴よりも、子どもの心に寄り添い、やる気を引き出してくれるかが重要。
  • 成績だけでなく、学習意欲や自己肯定感の向上といった、数字に表れない価値も大きい。
  • 親は任せっきりにせず、先生と連携して「一緒に伴走する気持ち」で関わることが成功のカギ。
  • 効果が出るまでには時間がかかる。焦らず、比べず、子どものペースを信じて見守ることが大切。

家庭教師は、決して“魔法の杖”ではありません。
でも、お子さんにピッタリ合う先生との出会いは、勉強の苦しみを乗り越えるための、本当に心強い“杖”になってくれます。

「うちもそうでした」
私のこの体験談が、今まさに悩んでいるあなたのご家庭にとって、少しでも希望の光となれば幸いです。